デジタル用語の元となる英語をたどってみよう! その1では、ソフトウェアの「ダウンロード」「インストール」についてお話ししました。2回目となる今回は、「ハードウェア」「ソフトウェア」「OS」について、元の英語から説明していきたいと思います。
ハードウェア「Hard(固い)+ware(製品・器物・品物)」
「ハードウェア」は「hard(固い)」と「ware(製品・器物・品物)」が組み合わさっています。文字通りの意味は「固いもの」。このほか、wareが含まれる英単語にはKitchenware(台所用品)、ironware(金物)などがあります。英語でHardware shopは大工道具屋さんを指します。
Hardware shop(大工道具屋さん)
そこから転じてITの世界では固くて物理的に手で触れられるもの、PC、タブレット、スマートフォンなどの本体、マウス、プリンター、キーボードなどがハードウェアと呼ばれています。
PCそのもの、スマートフォンそのもの=ハードウェアは物理的な端末として存在していますが、それだけではいわば「ただの箱」。この「ただの箱」でゲームを楽しんだり、文書を作成したり、通信を行ったりするには、ゲームソフトやワープロソフト、コミュニケーションアプリなど=「ソフトウェア」が必要となります。
ソフトウェア「Soft(やわらかい)+ware(製品・器物・品物)」
「ソフトウェア」は「soft(やわらかい)」と「ware(製品・器物・品物)」を組み合わせた言葉で、文字通りの意味は「やわらかいもの」となります。ですが、ソフトウェアという言葉は、物理的に手で触れることができるハードウェアに対するものとして作られた言葉で、実際に「やわらかい」わけではありません。「ただの箱」であるハードウェアを動作させるための手順や命令を記述したものが、ハードウェアとの対比としてソフトウェアと呼ばれるようになったのです。
ソフトウェアは、「OS」と呼ばれている基本ソフトウェアと、表計算やワープロ、描画、写真撮影など私たちがPCやスマートフォン上で使う「一般的なソフトウェア」とに大きく分けられます。OSは、ハードウェアであるPC・スマートフォンとソフトウェアを媒介する役割を果たします。
OS「Operating(操縦する)+System(システム)」
Windows、Mac、UNIX、Ubuntu、Android、iOS、Firefox…、いくつご存知ですか?共通項は何でしょう?これらはすべて、コンピュータの「OS(オーエス)」なのです。
ではそもそも、OSとは何でしょうか。OSとは、「Operating System(オペレーティング システム)」の略で、コンピュータを動かすための基本ソフトウェアを指します。Operatingの原形である単語「operate」は英語では「作動する」「仕事をする」「操縦する」という意味があります。語源はラテン語で操作や仕事を意味する「operatus」「operari」。芸術的な活動というつながりで、「opera」(オペラ)も同じ由来だとされています。
飛行機を「Operate」する
OS=Operating Systemを文字通りにとらえると、「操縦する」ための「仕組み」だということになります。ただ、「操縦するための仕組み」と言っても、ピンと来ませんよね。では、OSが実際にどういった役割を果たしているのかを、ざっくりとですが人間の身体でたとえてみましょう。
人間の身体のパーツ、たとえば指、目、脚…など物理的に存在しているこれらの身体のパーツは脳からの指令だけではなく、指令そのものを各パーツに伝える神経の存在なくしては動くことができません。これらのパーツをコンピュータに置き換えると、脳はユーザー、ハードウェアは身体そのもの、ソフトウェアやアプリは身体のパーツを使った特定の行動、OSは身体のパーツに指令を届け、操縦(Operate)する神経の仕組み(System)に当たります。
人間の身体は神経が通っていることにより動きます
ハードウェア、ソフトウェア、そしてOSについてお話してきました。「ただの箱」であるハードウェアが、ソフトウェアやOSによって機能している仕組みについて、漠然とでも理解していただけたでしょうか?ソフトウェアの文字通りの意味「やわらかいもの」のように、お手持ちのPCやスマートフォンを柔軟に活用して、ソフトやアプリで毎日をより楽しく快適にお過ごしください。